非線形CAE勉強会

第29期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「実験・計測とシミュレーションのクロスアプローチ」

第4日目(2016/7/17,10:00〜16:40)

4-1 データマイニングの基礎と応用
〔小石正隆(横浜ゴム)〕

多数のシミュレーションで得られるデータから設計に役立つ情報を発見するために多目的設計探査という方法論がさまざまな産業分野で活用されています。シミュレーションとデータマイニングを組合せた多目的設計探査は、並列計算との相性の良さもあり京コンピュータやポスト京のプロジェクトでも革新的設計のための方法論として注目を集めています。今回は多目的設計探査の概要と共に、製品設計のためのデータマイニングの基礎と応用例について説明します。

  1. 多目的設計探査の概要
  2. データマイニングの基礎
    • 2.1 自己組織化マップ
    • 2.2 機械学習(決定木)
  3. 製品設計へのデータマイニングの応用
4-2 破壊力学問題の理論と計測
〔大宮正毅(慶應義塾大学)〕

成型加工時の割れ,接着接合部の破壊,疲労き裂進展経路を予測するために,CZMやXFEMなどを使ったき裂進展シミュレーションが汎用有限要素ソフトウェアに実装されつつある.破壊力学に基づいた種々の破壊モデル,豊富なパラメータが実装されているが,実際,どのように使っていけばよいか不明な点も多い.そこで本講義では,破壊力学の理論に触れながら,いくつかの破壊モデルを紹介し,さらに,それらのパラメータを実験的に計測する手法について紹介する.

4-3 溶接構造の諸特性計測と疲労寿命予測技術
〔堤成一郎(大阪大学)〕

溶接・接合プロセス中の入熱・温度履歴、母材や溶着金属の弾塑性・変態特性に加えて、その間の拘束条件や局所的な余盛形状によって、強度特性/残留変形/残留応力分布は変化し、それぞれが構造体の疲労き裂発生およびその後の伝播寿命に対して影響を与える。一方で、構造体が一般に経験する多軸変動応力やクリープなどによって生じる非弾性変形は、上記諸特性を時々刻々と変化させ、疲労寿命にも影響を及ぼす。高度な疲労設計を実現する上では、上記諸量の初期値とその後の変化を適切に評価することが要求される。本講演では、溶接構造の疲労設計高度化に必要な諸特性の計測技術および高精度予測技術に関して紹介する。

4-4 塑性加工の摩擦特性評価
〔岩田徳利(豊田中研)〕

塑性加工は、鋼やアルミニウム合金などの金属に金型で大きな力を与えて塑性変形させ、目的の部品形状を成形する方法である。加工時間が短く、材料のロスが少なく、大量生産に向いていることから工業製品の生産に広く用いられる。金型界面の摩擦特性は材料の変形と型への負荷に影響し、生産準備期間や金型寿命等を左右する重要な因子であるため、これまで多くの摩擦特性評価法が提案されている。そこで、その評価法とその測定結果を解説するとともに、工程及ぶ型設計で用いられている塑性加工CAEに及ぼす摩擦特性の影響について紹介する。

4-5 総括
〔運営委員〕