非線形CAE勉強会

第4期非線形CAE勉強会・シラバス・第1日目

 

第1日目:力学問題とその解法 [ 2003年11月8日 ]

概論 〔菊池昇@ミシガン大〕(20)
1-1 力学の基礎(応力・ひずみ・境界値問題)
〔京谷孝史@東北大〕(90)
  1. 力学モデルの成り立ち
  2. 連続体内の力の表現、コーシー(Cauchy)の応力テンソル
  3. 連続体の変形の表現、有限ひずみテンソル
  4. 仮想仕事式、種々の応力テンソル
  5. 構成則の役割
1-2 力学と解析(構成則・仮想仕事式・解析)
〔寺田賢二郎@東北大〕(90)

解くべき力学問題について,「記述すること」と「解くこと」を区別して非線形CAEにおける「力学と解析」を整理する.まず,非線形力学の構成要素について整理し,初期値・境界値問題の支配方程式を提示・解説する.次に,弾塑性問題を例にとって,構成則の位置付けと役割について解説し,支配方程式を離散化する過程を簡単に示す.最後に,非線形CAEにおける解析のエッセンスの抽出を試みる.特に非線形問題であっても,解くべき式は形式的には線形問題と同一であることを概念的に示し,非線形性の種類に応じた解法,アルゴリズムが利用されることを例示する.

  1. 非線形力学と初期値・境界値問題
    • ・非線形力学問題の支配方程式
    • ・非線形性の所在
  2. 構成則とその役割 -弾塑性問題を例にとって-
    • ・物理法則と構成則
    • ・弾塑性構成モデルの仕組みと捉え方
    • ・速度形(rate form)の意味と役割
  3. 仮想仕事式と有限要素法
    • ・強形式から弱形式へ
    • ・弱形式から離散化方程式へ
  4. 非線形有限要素解析のエッセンス
    • ・線形と非線形
    • ・動的と静的
    • ・陰解法と陽解法
1-3 非線形方程式の解法(離散化方程式)
〔藤井文夫@岐阜大〕(60)

有限要素法により離散化された非線形支配方程式(固体・構造)の解法において注意すべき一般的事項について解説する.

まず多自由度の離散化方程式で定義される解曲線(平衡路)を問題の本質を失うことなく簡単な平面曲線に帰着させ、非線形解法の問題点や非線形解の意外性について平易に,そして具体的に解説する.

つぎに(局所的)非線形解法の代表格であるニュートン・ラフソン法の考え方から始めて,解法のアイデアを序々に拡張することにより,より広範な範囲での解の探査を可能とする大域的非線形解法へと導く.問題に応じて自由に,非線形解法の手段を、考案することができることを示す.

  1. 非線形解法において留意すべき一般的事項
  2. 見逃しやすい解(遊離経路・孤立解など)の存在
  3. 問題を複雑化する分岐点
  4. 局所的収束性を有する非線形解法(ニュートン・ラフソン法)
  5. 大域的収束性を有する非線形解法(ホモトピー法など)
  6. 例題など
演習1 〔京谷孝史・寺田賢二郎・藤井文夫〕(60)
総説1 〔野口裕久@慶應大〕(20)

( )内は予定講義時間(分)