非線形CAE勉強会

第4期非線形CAE勉強会・シラバス・第3日目

 

第3日目:非線形CAEベンチマーク Part I [ 2003年11月29日 ]

3-1 ベンチマーク論
〔菊池昇@ミシガン大〕(60)
非線形CAEベンチマーク事始:総論形成の試み

非線形CAEソフトは非線形力学や非線形数値解析法などを用いて非線形現象を解析・シミュレーションする道具であり、ソフトが準拠している力学などが現実の非線形現象を正しくモデル化しているとは限らない。更に、非線形現象を微分方程式などで表現された数学モデルを有限要素法などの非線形数値解析手法で近似的に解くため、解法から生じる誤差を持つことになる上に、解く方法が唯一でなく各ソフトが用いている方法が持つ誤差もあるため、ソフトそのものに準じた誤差も考慮しなければならない。こうした各種の「誤差」を認識し、使用している非線形CAEソフトの信頼性を、ソフトを用いる技術者の観点からも保障するための活動を「CAEにおけるベンチマーク」と呼び、非線形CA協会では、この重要課題に取り組む試みを始めた。
ここでは、ベンチマークの持つ広がりや視点など、総論的に取り上げる。詳細は

  1. 非線形CAEに関するベンチマークとは
    • ・ベリフィケーション・バリデーション活動との違い
    • ・何をベンチマーク出来るか、するか
    • ・ベンチマーク活動の範囲
  2. モデルに関するベンチマーク
    • ・物理モデルのベンチマーク
    • ・数理モデルのベンチマーク
    • ・有限要素モデルのベンチマーク
    • ・設計モデルのベンチマーク
  3. 解析法に関するベンチマーク
    • ・近似手法に関するベンチマーク
    • ・解法に関するベンチマーク
  4. ソフトに関するベンチマーク
    • ・線形ソフトのベンチマーク
    • ・非線形ソフトのベンチマーク
    • ・マリチ・フィジックスソフトのベンチマーク
  5. ユーザーに関するベンチマーク
    • ・解析結果使用法に関するベンチマーク
    • ・理解度に関するベンチマーク

と分類し、様々な角度からの切り口で解説を試みる。

3-2 数理モデルのベンチマーク
〔山田貴博@横国大〕(50)

数理モデルは、物理現象に対応した物理モデルを数学的に記述することによって得られる。正しく記述された数理モデルは、物理現象あるいは物理モデルが有する性質を自動的に満たすものとなっている。一方、数値シミュレーションで用いられる近似解法は、数理モデルを適切に離散化することで得られるが、近似解法においては数理モデルが有する性質をすべて満たすものとすることは一般に困難である。特に、近似される数理モデルは、数学的に同値なものであっても定式化、あるいは用いられる形によって異なる結果を与える。ここでは、数理モデルと近似の関係と近似に用いる際の適切さを以下の例を基にベンチマークと言う観点から解説する。

  1. 線形弾性問題の数理と有限要素法
  2. 動力学における保存量と数値時間積分
  3. 非線形問題における数理モデルと近似
  4. 拘束条件に対応する漸近挙動と近似
3-3 物理モデルのベンチマーク
〔吉田純司@山梨大〕(50)
サブタイトル:「免震用高減衰積層ゴム支承のモデル化とその検証

土木・建築構造物の耐震性能の向上を目的として,ゴム材料を応用した免震・制振デバイスを採用する構造物が増加してきている.ここでは,柔軟性に加えエネルギー吸収性能に富む高減衰積層ゴム支承を対象とし,非線形CAEを用いた支承の力学モデルの構築と検証手法について述べる。

  1. 土木・建築構造における免震・制振構造
  2. 高減衰積層ゴム支承の力学特性の概要
  3. 高減衰ゴムの材料試験
  4. 高減衰ゴムの構成則
  5. 高減衰積層ゴム支承の有限要素モデル
  6. 積層ゴム支承の多軸載荷実験とモデルの検証
  7. その他:ゴムの破断特性に関する材料試験
3-4 ソフトウェアのベンチマーク
〔野口裕久〕(60)
3-5 ベンチマークの具体例(1) プラスチック容器の押出ブロー成形
〔成島毅@花王〕(40)
特別講義(1) 〔岸正彦@三造試験センター〕(60)

( )内は予定講義時間(分)