非線形CAE勉強会

第11期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第2日目:強度・剛性CAE-II (2007年5月27日日曜日)

2-1 強度・剛性CAEのための破壊力学
〔菊池正紀@東京理科大〕(120)
2-2 強度・剛性CAEのための材料力学
〔白鳥正樹@横浜国大〕(120)

材料力学は強度設計・剛性設計を行なうための基本的なツールである.大学の学部レベルで習う材料力学は引張り,圧縮を受ける棒,ねじりを受ける軸,および曲げを受けるはり等の機械・構造物を構成する基本的な部材における応力解析,変形解析の方法を示し,これらが許容応力,あるいは許容変形量以下の値となるべく部材の形状,寸法を決定する.この単純なプロセスの中に強度設計および剛性設計の基本的な概念がすべて含まれている.すなわち,

  • ・複雑な実構造物を単純な部材にモデル化する方法
  • ・応力/変形解析の方法
  • ・許容応力/許容変位と安全率(実機試験と材料試験)

有限要素法(FEM)等のCAEツールが手軽に使える時代となり,設計者はより実機に近い複雑な形状に対して,弾塑性大変形解析等非線形性の高い解析を日常的に行えるようになった.このようなツールを使って強度設計,剛性設計を行うときの基本的な考え方をいくつかの事例を交えて解説する.

  1. 序:計算工学 −解析のツールから設計のツールへ−
  2. SDSS:統計的設計支援システム
  3. 自動車衝突・安全特性における多目的最適化設計
  4. 最適化設計の要素研究からシステム設計へ
  5. 信頼性設計
  6. 計算の品質:モデリングと評価技術
  7. まとめ
2-3 木造建物実験における強度・剛性
〔清水秀丸@防災科学技術研究所〕(90)

木材とは、世界中多くの場所で入手可能な循環型の資源であり、我が国も森林資源が比較的豊富なため古来より建物の材料とした多用されてきた。コンクリート、鉄骨が登場した現代でも、「木造建物」と称して住宅の構造部材に用いられることが多いが、大地震が発生する度に木造建物の被害が報告されている。

この発表では、発表者が関わってきた木造建物の実験、被災調査、から得られた木造建物の構造的な特徴を紹介する。そして、木造建物が地震によって被害を受ける原因を実験結果の映像とセンサーより得られた剛性・強度などを交えて説明する。また、木造建物の最新の数値解析を紹介して、木造建物の耐震補強方法なども紹介する。

  1. はじめに
    • 実験の必要性と短所長所を数値解析などと比較しながら説明する
  2. 実際の木造建物の被害事例
    • 木造建物について簡単に説明した後、地震によって被害を受ける建物はいつも木造が多い理由と被害事例を紹介する。そして被害が起きる原因を分析する
  3. 実験から得られる建物被害と強度・剛性の関係
    • 地震時の被害を再現する実験を通して、建物がどのような状態に至ると被害が発生するのかを小規模実験から大規模実験までを通して報告する
  4. 耐震補強の方法と原理
    • 実験結果を反映した、実際に行われている耐震補強方法などを紹介して、耐震工学的観点から改善された何処を報告する
  5. 数値解析による木造建物の耐震設計
    • 実際に木造建物を建てる場合に行われる構造計算(確認申請用)から数値シュミレーションによる応答解析までを一通り紹介して、現在の木造建物における耐震設計の現状について報告する
2-4 ゴム分科会報告
〔井戸浩登@ソニー〕(20)