非線形CAE勉強会
第11期非線形CAE勉強会・シラバス
第4日目:強度・剛性CAE-IV (2007年6月17日日曜日)
4-1 | 樹脂の強度・剛性CAE -精度向上・実用化のポイント- 〔米川太@プライムポリマー〕(80) |
樹脂製品の強度・剛性CAEは非常に難しいと考えられている場合も多々あるようだが、基本的には他の強度解析と同様であり特別難しいということは無いと考えられる。ただし樹脂特有の問題も存在することも確かでありそれらを踏まえたうえでの対応が重要である。今回はこれまで弊社にて蓄積してきたノウハウ、実用化のポイントを可能な限り紹介したい。
- 実用化事例紹介
- バンパー、インパネ、EGルーム内部品等
- 過去10年のなかから代表的な事例を計算条件詳細まで可能な限り紹介する。苦労した点、注意すべきポイントについても解説する。
- 樹脂製品CAEの誤差の実態
- メッシュ;
- メッシュによりかなりの結果の差をまねくことは言うまでもないが、最新の調査結果ではテトラ2次要素の活用がかなり有効であることも分かってきている。また、ソフトにより応力表示の方法が異なり比較的大きな差が生じる場合もあり注意が必要である。
- 境界条件;
- 樹脂製品特有の大きな誤差の代表ともいえるのがこの境界条件である。いかに注意をはらってもつめきれない場合も少なくない。その場合の対応例等を含め解説する。
- 物性自体;
- 意外と知られていない物性自体の誤差・バラツキについて実データで紹介する。そもそも物性自体がどれくらい誤差をもつのか、基本事項として頭にいれておくことが重要である。誤差の原因がそもそもこの物性自体であることも少なくない。また、金属等とことなり樹脂の場合は経時変化も無視できないことも大きなポイントである。
- その他実用化のためのポイント
- データ分析・考察あるいは検討ストーリー創造の重要性
- 破壊を伴う解析のポイント紹介
4-2 | 金属クリープの強度・剛性CAE 〔猪狩敏秀@三菱重工〕(80) |
- クリープの基礎
- (1) クリープ変形の基礎
- (2) クリープ強度の基礎
- (3) 高温疲労およびクリープ疲労相互作用
- クリープ力学の基礎
- (1) 高温構造の変形の特徴
- (2) リラクセーション
- (3) 曲げを受けるはりのクリープ変形
- (4) 内圧を受ける厚肉円筒のクリープ変形
- (5) 多孔板のクリープ変形
- 高温構造設計の考え方の基礎
- (1) 許容応力とクリープの影響
- (2) 一次応力による破損防止
- (3) 繰返し熱応力による破損防止
- (4) 一次応力と繰返し熱応力によるラチェット変形防止
- (5) FEM構造解析による強度の評価---多軸応力の考え方
- 最近の高温構造解析の話題
- (1) 熱交換器の均質化法構造解析
多孔板構造・プレートフィン構造 - (2) 溶接部のクリープ損傷評価
巨視的クリープ解析と微視的クリープボイド評価
- (1) 熱交換器の均質化法構造解析
4-3 | 金属疲労と強度・剛性CAE 〔杉村忠士@三菱重工〕(80) |
- 金属疲労概論
- (1) 疲労の重要性
- (2) 疲労現象の分類
- (3) 高サイクル疲労
- (4) 低サイクル疲労
- (5) 疲労き裂進展
- 有限要素解析と金属疲労評価
- (1) 計算機能力の進歩と疲労評価法の変化
- (2) 公称応力による方法
- (3) 局部応力による方法
- (4) 有限要素解析結果を疲労強度評価に用いる場合の留意点
- 有限要素法による疲労強度評価例
- コンテナ船の疲労強度評価例
4-4 | ディスカッション 〔運営委員〕(90) |