非線形CAE勉強会
第18期非線形CAE勉強会・シラバス
第3日目(2010/12/4,10:00〜17:00)「個別要素技術のV&V」
3-1 | ASME V&Vの概要 〔瀧澤英男(三菱マテリアル)〕 |
後半講義のイントロダクションとして,ASME V&V 10-2006について解説を行い,Verification & Varidationの視点での各講義の位置づけを説明する.
3-2 | 非弾性材料解析におけるV&V 〔只野裕一(佐賀大)〕 |
CAEによる固体解析において,より高精度な解析結果を得るためには適切な材料モデルの選択が重要である.しかしながら,特に非弾性材料モデリングには,今なお多くの課題が残されているのが現状であり,解析結果の妥当性を論じる上でV&Vという視点は不可欠である.本講義では,まず前半において非弾性材料の材料モデリングについて,いくつかの具体例を交えながら概説する.続く後半では,大変形弾塑性挙動解析を中心とした事例紹介を通じて,非弾性材料解析におけるV&Vの一例を示す予定である.
- 固体解析・材料解析におけるV&Vの位置づけ
- いくつかの非弾性材料構成式
- 大変形非弾性解析のV&V事例紹介
- 非弾性材料モデリングのV&Vにおける今後の方向性
3-3 | V&Vのためのプリポストの見方 〔永井亨(MSC Software))〕 |
CAEにおけるV&Vについて考えるとき,要素や材料モデル,数値解法など,ソルバーの機能や計算精度に着目されることが少なくない.
しかし,プリ処理/ポスト処理を行うにあたって,ソルバーが入出力するテキスト形式のファイルを使用者が直接読み書きするのではなく,プリポストプロセッサを用いることが大半となった今日では,ソルバーの入出力データに対してプリポストが何らかの処理を行っており,我々がプリポスト上で目にしているデータとソルバーの入出力データとは必ずしも同一であるとは限らないことを忘れてはならない.
そこで,本講義では,プリポストが行う処理のうち,特にポスト機能が行う処理を中心に解説するとともに,出力結果の可視化だけでなく,入力データのV&Vに用いる方法についても紹介する.
3-4 | 力学モデルとしての構造力学 〔吉田純司(山梨大)〕 |
大学での構造力学は,ベルヌーイ・オイラー梁(以下,単に梁と呼ぶ)やトラスを中心として,公式を用いた計算問題が主となっており,有限要素法(FEM)等で用いられている理論とのギャップを感じることが多い.本講義では,梁・トラスをまとめて棒部材として扱い(梁要素を用いた骨組み構造のFEMでは,トラス・梁を同時に扱う),前提となる仮定や支配方程式の導出など,最も基本となる理論展開について,簡単な演習を交えながら説明する.また,FEMでは多様されているティモシェンコ梁についても前提となる仮定,支配方程式の導出,ベルヌーイ・オイラー梁との違いなど,基本となる理論展開について説明する.
- トラス・梁の理論
- 1.1 トラス・梁理論での仮定
- 1.2 ベルヌーイ・オイラー梁と線形弾性体
- 1.3 トラス・梁の断面力
- 1.4 トラス・梁の平衡方程式と運動方程式
- 1.5 トラス・梁の支配方程式
- 1.6 トラス・梁の境界条件
- 2. ティモシェンコ梁
- 2.1 ティモシェンコ梁での仮定
- 2.2 ティモシェンコ梁での断面力
- 2.3 ティモシェンコ梁での平衡方程式と運動方程式
- 2.4 ティモシェンコ梁の境界条件
- 練習問題