非線形CAE勉強会

第26期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「形と構造のCAE 〜設計力を上げる力学〜」

第3日目(2015/1/24,10:00〜16:20)

3-1 内部荷重ベース設計と構造最適化での活用手法
〔高岡秀年(エレメンタルデザイン&コンサルティング)〕

内部荷重ベース設計は、航空機の構造設計で用いられてきた設計手法です。複雑な形状を構造要素に分解し、荷重の流れと各部材の役割を理解して設計を進めます。三菱重工業(株)における航空機の構造設計の経験と前職(株)ヴァイナスでのTOSCA Structureによる構造最適化の経験を踏まえ、CAEや位相最適化における内部荷重ベース設計の活用例をシンプルなモデルを用いてご紹介致します。ここでの位相最適化の例は(株)くいんと様のご厚意によりOPTISHAPE-TSを使用させて頂きました。

  1. はじめに
  2. 強度のとらえ方
    • 荷重分布、内部荷重、応力の役割
  3. 構造要素法による内部荷重ベース設計
    • 3.1 構造要素とは
    • 3.2 内部荷重伝達のモデル化
    • 3.3 変形・破壊モードの検討
  4. CAEにおける活用例
  5. 位相最適化における活用例
3-2 船体縦曲げ最終強度評価における非線形CAE及び簡易解析手法の適用について
〔山田安平(海上技術安全研究所)〕
3-3 Thinking CAE ―構造合理化への構想力をたかめるには―
〔岡村宏(芝浦工大 名誉教授),林田興明(ソフトジョイント)〕

製品開発のものづくりでは,その目的に対する構造合理化のシンセシスが欠かせない.そのための構想力を高めるには,構造が持っている特性がなぜ生じているかを見通す力が必要である.この様なアプローチを行う方策をThinking CAE と称する.ここでは,力線の流れを用いて具体的な構造におけるアプローチを行い,その考え方を説明する.

  1. Thinking CAEとは
  2. なぜ,Thinking CAEが必要か?
  3. 構造の特性を見通す力線とは?
  4. 応力集中と力線
  5. 最適化問題へのアプローチ
  6. 静定問題と不静定問題
  7. 不静定問題の難しさ
  8. 面内変形問題
  9. 面外変形問題
  10. まとめ:Thinking CAEとEngineering
3-4 車体構造の初期設計
〔西垣英一(豊田中研),古巣克也(豊田中研),浜辺勉(トヨタ自動車)〕

実務から導かれた知見として、詳細な構造設計前に行うべき力学的机上検討の重要性を、簡略化した例題で提示します。具体的な内容は、企画の成立範囲を大まかに瞬時に確認するため、1.机上検討、2.梁理論(FOA)による確認、3.断面危険率計算、4.必要質量概算、5.ここで必要となる弾性座屈と有効幅の検討の手順を、簡略化モデルを用いた解説とします。