非線形CAE勉強会

第30期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「実験・計測とシミュレーションのクロスアプローチ」

第4日目(2016/12/11,10:00〜16:40)

4-1 デジタル画像相関法とシミュレーションの信頼性
〔車谷麻緒(茨城大学)〕
4-2 高速変形における計測とシミュレーションによる予測精度の向上U
(自動車用鋼材に関連した高速試験)
〔佐藤健太郎(JFEスチール)〕

自動車の衝突変形解析において,高ひずみ速度域における材料特性のモデル化が重要となる.特に最近では,車体に適用される鋼板の強度レベルが270MPa〜1500MPaと幅広く,各材料の変形特性に及ぼすひずみ速度の影響を実験的に精度よく求めることが必要となる.さらに,高ひずみ域における材料破断の予測は,車体衝突解析の精度を向上させるための大きな課題である.本講演では、静的からひずみ速度10E3 /s の高速度域における,材料変形特性および破断挙動を計測するための各種実験手法について紹介し,高速カメラ画像解析による高速変形挙動の定量化結果や,各種高強度鋼板の変形強度および破断ひずみの速度依存性について解説する.

4-3 実験とシミュレーションのクロスプロダクトはいかに生まれるかについての一考察
〔高野直樹(慶應義塾大学)〕

実験という軸と、シミュレーションという軸から、クロスプロダクト(外積)により3軸目を創り出そうという協会の企画趣旨に対して、3軸目とは何か、また、いかに生むかと意気込むのではなく、自然に生まれるか否か、という観点から皆さんと議論したい。なお、最近行っている実験・シミュレーションについては、事前に研究室HP(http://www.takano-lab.jp/)をご覧いただきたい。

  1. 私にとっての実験
  2. Validationのための実験について
  3. 数理モデルについて(キャリブレーション、理論&実験&シミュレーション)
  4. 理論の目で見る現象(実験・観察)
  5. クロスとは:中間まとめ
  6. 解析対象がいかに製造されたかを知る重要性
  7. 不確かさ、ばらつき、計測誤差について
  8. おわりに:クロスプロダクトはいかに生まれるか
4-4 実験とシミュレーションの比較によりできる議論
(放射光による金属微視組織の塑性変形の非破壊評価および結晶塑性有限要素法解析)
〔瀬戸山大吾(豊田中研)〕

材料の変形挙動を3次元的かつマルチスケール的ににとらえ微視的組織構造と巨視的な強度特性との関連性を把握することは,構造材料の活用にとって重要である.材料組織の変形挙動を非破壊評価(実験解析)し,かつ,数値材料試験(数値解析)と併用すれば,数理モデルの高精度化や材料の変形挙動の本質を理解できるかもしれない.著者らはこれまでに,材料内部の非破壊3次元結晶方位マッピングを可能にする走査型3DXRD顕微鏡法をSPring-8:BL33XU (豊田ビームライン) に開発,構築してきた.本講演では当顕微鏡法の特長を説明し鉄鋼材料の微視的塑性変形挙動を評価・解析した例を紹介する.また,当手法による実測結果に対応する結晶塑性有限要素解析を行った評価例も合わせて報告する.

4-5 パネルディスカッション
シミュレーション・実験の面白さと気づき
〔司会:岡澤重信(山梨大学),表竜二(豊田中研)〕
4-6 総括
〔運営委員〕