非線形CAE勉強会

第32期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「非線形CAEの新しい潮流」

第2日目(2017/10/29,9:30〜17:00)

2-1 新しい高分子材料のCAE
〔古市謙次(東洋紡)〕

高分子は代表的なソフトマテリアルであり、その内部の大きな自由度に由来するバラエティ豊かな挙動を示す。

例えば高分子液体は、通常のニュートン流体とは異なりひずみ速度に応じて粘度が変化する。また、ダイスウェル効果やワイセンベルク効果など、粘弾性に起因した特異な現象を起こすことも知られている。

本講演では、高分子のレオロジー、特にその分子論的な描像について解説した上で、CAEにおいて高分子液体を扱う際のポイントや応用事例について紹介する。

z
2-2 電動化時代の電磁界解析の課題
〔山田隆(JSOL JMAGビジネスカンパニー)〕

電気自動車(EV)を筆頭に、省エネ対策の1つとして多くの場面で“電動化“が始まっており、動力源としてこれまでの内燃機関、油圧機構がモータ、アクチュエータに置き換えられている。この電動化のためのモータは従来のモータとは異なる特性を期待されており解析にも高い精度が求められている。それらの要求を満たすため乗り越えるべき課題について整理する。

  1. 電動化と新しいモータ設計
  2. 新しいモータ設計に求められる解析技術
  3. 今後の課題
2-3 粒子法による新しいCAE
〔越塚誠一(東京大学)〕

粒子法はメッシュを用いずに連続体力学の支配方程式を離散化してシミュレーションを行う方法である.ここでは粒子法の1つであるMPS(Moving Particle Semi-implicit)法について,その基本的な原理,流体に関する計算例,最新の研究,および今後の展開について解説する.

  1. 様々な粒子法
  2. 粒子法の特徴
  3. MPS法の原理
  4. MPS法を用いた流体解析の例
  5. 最新の研究の紹介
  6. 今後の展望
2-4 航空宇宙分野における設計情報学の駆動
- 多分野融合多目的最適設計から非定常空力現象兆候検出まで
〔千葉一永(電気通信大学)〕

設計情報学は,問題定義・データセット構築・データマイニングに3本柱で成り立つ.データマイニングで得られた設計知識を如何に問題定義にフィードバックさせるか,つまり,得られた知識を如何に駆動させるかが重要となる.本講演では,設計情報駆動の考え方,および今後のトピックとなる非定常大規模データセットに対する応用事例を概説する.

2-5 パネルディスカッション
今どきのCAEとValidation
〔司会:岡澤重信(山梨大学),表竜二(豊田中研)〕
2-6 総括
〔運営委員〕