非線形CAE勉強会
第36期非線形CAE勉強会・シラバス
「複合材のCAE−力学・強度・プロセス−」
第4日目(2020/1/12,9:30〜16:50)
4-1 | CFRPの非線形数値解析と波動伝播逆解析について 〔荒井政大(名古屋大学)〕 |
本講義では,樹脂の粘弾塑性構成式を考慮したCFRPの損傷進展シミュレーションについて有限要素法と均質化法を用いた取り組みについて紹介するとともに,樹脂のテーププレイスメント成形を想定した炭素繊維束への樹脂含侵解析に関する粒子法による解析事例を紹介する.また,CFRP積層板内部の層間剥離強度をレーザー超音波を用いて測定するための一連の解析手法と実験手法を紹介し,境界要素法を用いた逆解析手法と逆問題における解の適切化法について述べる.
- 樹脂の粘弾塑性を考慮したCFRPの損傷シミュレーション
- 1.1 樹脂マトリクスの粘弾塑性構成式
- 1.2 樹脂マトリクスの損傷則
- 1.3 界面要素の取り扱い
- 1.4 損傷進展シミュレーション
- 粒子法を用いた熱可塑性樹脂の非線形流動解析
- 2.1 熱可塑性樹脂の粘度測定
- 2.2 非線形性を有する樹脂流動モデル
- 2.3 粒子法による流体の数値解析
- 2.4 炭素繊維束への樹脂含侵シミュレーション
- レーザー超音波法を用いたCFRP積層板の層間強度評価解析
- 3.1 レーザー超音波の波動伝播解析
- 3.2 伝達関数法による逆問題解析と最適化手法
- 3.3 レーザー超音波試験
- 3.4 CFRP層間強度に関する境界要素逆解析
4-2 | 短繊維の射出成形解析と流動解析からそり解析まで 〔中野亮(東レエンジニアリング)〕 |
4-3 | 複合材料構造物利用に向けてのCAEの重要性 〔漆山雄太(本田技術研究所)〕 |
- 計算以前上位概念「CFRPとメタルの違い」
- マルチスケールと損傷力学適用のコンセプト
- 静的破壊の動的計算,衝撃,疲労計算のトピックス
- 製造CAEが構造CAEに果たす役割
4-4 | 複合材の成形プロセスに起因するばらつき・不確かさのモデリングと確率的シミュレーション 〔高野直樹(慶応大学)〕 |
繊維強化複合材料の低コスト・高サイクル成形法の開発において、最適なプロセスパラメータの探索は難題であるが、その要因の一つに、成形プロセスに起因するばらつきの問題があげられる。微視構造を有する複合材のモルフォロジーを記述するための幾何的パラメータに含まれる不確かさをいかにモデリングするかについて最初に述べる。次に、素材の物理的パラメータ(物性値)に含まれるばらつき・不確かさを理論的に組み込んだ確率的マルチスケール法の理論と解析事例を示す。最後に、市販ソフトを用いた事例を紹介し、特に、裾野分布の詳細解析方法の解説を行う。シラバスは以下の通りである。
- 成形プロセスに起因するばらつき・不確かさの事例
- 均質化法と確率均質化法の理論と事例
- モンテカルロシミュレーションにおける裾野分布の解析
- まとめと今後の展望