非線形CAE勉強会

第44期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「非線形CAEの基礎固め」

第4日目(2024/6/16(日) 9:30〜16:20)

4-1 有限要素の基礎とその特性
〔山田貴博(横浜国立大学)〕

応力解析で用いられる有限要素の基本的な定式化は様々な教科書において説明されているが,実際にCAEで用いられる汎用コードにおいては,教科書の記述とは異なる精度を向上のための工夫が行われた様々な要素が提供されている.構造物の有限要素解析における適切なモデル化では,有限要素近似の本質である要素を導出するための変分原理等を始めとする理論的背景や改良の結果として得られる数値特性の理解が重要となる.本講演では,これらの有限要素を理解するための基本的な事項と具体的な数理特性を解説する.

  1. 有限要素近似の数学的解釈
  2. 変分原理の基礎
  3. 有限要素の改良
  4. 曲げモードに対応した改良型ソリッド要素
  5. 構造要素(はり要素,シェル要素)
  6. 要素の数値特性の具体例
4-2 微圧縮大変形FEMの要素選択と解法
〔大西有希(東京工業大学)〕

大変形問題はゴム・生体の超弾性変形,金属の塑性変形,ガラス・プラの熱粘弾性変形など様々なエンジニアリングの場面に登場する. そしてこれら大変形の現象には材料の微圧縮性を伴うことが多い.
 本講義ではゴム大変形の静解析を例に,主として機械系の大変形問題をFEMで解く際に頻出するトラブルを紹介し,トラブルを極力避けるために使用すべき要素と解法について解説する.

  1. 微圧縮大変形の基本
  2. 微圧縮大変形FEMの頻出トラブル
  3. 微圧縮大変形FEMの要素選択
  4. 平滑化有限要素法(S-FEM)による微圧縮大変形解析
4-3 汎用FEMソフトウェアにおける非線形性への対応技術
〔遠藤安浩(アイシン・デジタルエンジニアリング)〕

製造業において製品を設計する際に汎用FEMソフトウェアを使用することが一般的になってきました。また、より複雑な設計をおこなう際には非線形性を持つ現象や材料を扱うことも少なくありません。非線形性が伴う課題に対応するために様々な技術が汎用FEMソフトウェアには実装されています。本講義ではソフトウェアベンダー様からの情報をもとに非線形性への対応技術をご紹介いたします。