非線形CAE勉強会

第48期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「基礎からひも解く非線形解析技術 〜汎用ソフトで使われる要素のしくみ〜」

第3日目(2026/6/20(土)10:00〜17:00)

3-1 挨拶
〔瀧澤英男(日本工業大学)〕
3-2 有限要素法における近似の数理的解釈
〔山田貴博(横浜国立大学)〕

CAEにおける基盤技術である有限要素法は,物理現象に対する数理モデルである偏微分方程式を近似的に計算する技術であり,その数学的な意味と妥当性の理解が計算結果の信頼性の担保に重要な意味を持つ.本講義では,偏微分方程式に対する有限要素法の数学理論を用いられる数学的概念とともに概説し,近似がどのような意味で構成されているかを理解する.

  1. 近似と距離位相
  2. 弱形式と強形式の同値性と変分学の基本補題
  3. Galerkin法における最良近似の原理
  4. 1次元有限要素近似
  5. 近似解の収束と実問題における精度の乖離
3-3 いまさら聞けないFEMの常識(ソリッド要素編)
〔車谷麻緒(茨城大学)〕

本講義では,線形弾性体の2次元ソリッド要素を対象に,有限要素近似の基礎について解説します.多くの人が「なんとなく」で済ませてしまいがちな,あるいは十分に理解しきれていないと思われる有限要素法の基本原理に焦点を当て,数値計算の妥当性を正しく判断できる知識の習得を目指します.主な講義内容は以下の通りです.

  1. FEMとは?
  2. FEMとCAEの関係
  3. 1次要素
  4. 高次要素
  5. 高性能要素(非適合要素)
  6. せん断ロッキング
  7. 体積ロッキング
  8. ルジャンドル-ガウスの数値積分
  9. 低減積分
  10. 選択的低減積分
  11. B-bar法(B-bar要素)
  12. 各要素の性能比較
  13. V & V(検証と妥当性確認)
3-4 構造要素(シェル要素)による離散化
〔山本剛大(茨城大学)〕

有限要素解析における離散化では,解析対象の幾何形状や力学的特性に応じて,連続体(ソリッド)要素と構造要素を適切に使い分ける必要がある.本講義では,構造要素(主にシェル要素)による離散化に焦点を当て,その定式化における力学的仮定,変形を記述するための自由度,および要素特性について,ソリッド要素との比較を通じて概説します.

  1. 空間離散化
  2. シェル要素の考え方
  3. シェル要素によるモデル化の利点と限界
  4. 適用範囲を拡張するために開発されたシェル要素
  5. シェル構造物のソリッド要素によるモデル化
3-5 汎用ソフトのデフォルトで使用されている要素の詳細
〔Abaqus:鈴木健太郎(ダッソー・システムズ)〕

有限要素法の教科書を通して、また非線形CAE勉強会で、有限要素法の要素についてさまざまな定式化の話を勉強してきたかと思います。これらの研究の成果を反映して汎用ソフトの中の要素というものが出来あがっています。本講義では、汎用有限要素法ソフトウェアの一つであるAbaqusにおいて、どのような成果が利用されて要素が出来ているか、皆さんが利用する機会が多い連続体(ソリッド)要素、シェル要素にフォーカスして紹介します。

  1. Abaqusでの要素の使い方
  2. Abaqusにおける連続体(ソリッド)要素
  3. Abaqusにおける構造要素、特にシェル要素
  4. その他の要素について