UMMDp & UMMDr公開ページ

The Unified Material Model Driverについて

UMMD (Unified Material Model Driver) ライブラリの公開について

特定非営利活動法人非線形CAE協会
UMMD委員会
委員長 瀧澤 英男

特定非営利活動法人非線形CAE協会(JANCAE)では2001年より非線形力学およびCAEを体系的に学ぶ場として「非線形CAE勉強会」を企画し,多くの技術者および研究者の方々に御参加をいただいています.

この「非線形CAE勉強会」の活動に加えて,2005年からは「ゴム分科会」を立ち上げ,粘弾性・超弾性の材料モデルに関する課題に対して,より実践的に取り組む活動を進めてきました.この分科会は,2008年より「材料モデリング分科会」と改称され,金属や樹脂を含む非線形材料モデル全般をテーマとして扱うことになり,多くの参加者の協力をいただきながら,2016年度まで活動を行ってきました.現在,この活動は,そのテーマ枠をより広げる形で「解析モデリング分科会」へと引き継がれています.

さて,非線形構造解析の精度向上のためには,検討すべき課題が多くあります.とりわけ,実務で扱う材料の複雑な変形挙動を,どのように計算に組み込むかという課題については,数学的もしくは力学的な正解がないため,数多くの材料モデルが現在も提案され続けています.

材料モデリング分科会では,非線形構造解析の中で材料モデルをどのように扱うかといった基礎的な考え方を学び,その実践として,汎用コードのユーザサブルーチン機能を使って,多くの研究者により提案されてきた様々な材料モデルを利用できるように取り組んできました.これらのプログラムは,汎用コードの種類を問わずに利用できるように設計され,UMMDx(Unified Material Model Driver for X)シリーズとして開発してきました.これまでは分科会の成果物として参加者の間で共有して参りましたが,非営利活動法人であるJANCAEの理念のもとに,以下のUMMDxを一般に向けて公開します.
 「異方性降伏関数のためのユーザサブルーチンライブラリ UMMDp (Plasticity)」2018/07公開
 「ゴム系材料のためのユーザサブルーチンライブラリ UMMDr (Rubber)」2022/07公開

なお,公開したプログラムは完全な動作や常に正解を出すことを保証するものではありません.ご自身の責任のもとでご利用いただくようにお願いいたします.

これらの公開を通して,非線形構造解析に取り組む方々がさらに増えることを願っています.

最後に,分科会活動に参加いただいた皆様,特にUMMDxシリーズの作業部会に貢献いただいた技術者および研究者の皆様,そして分科会活動を支えた協会スタッフ各位に感謝し,御礼を申し上げます.

【日本計算工学会「技術賞」を受賞しました】
 UMMD委員会委員長 瀧澤英男氏および委員 寺嶋隆史氏がUMMD開発及び公開に関して,2018年に日本計算工学会の技術賞を受賞しました.
   改めまして,本事業に参画いただいた皆様に感謝とお礼を申し上げます.