非線形CAE勉強会

第9期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第3日目:マルチスケールCAE-I (2006年 6月17日 土曜日)

3-1 LESの工学的応用:その現状と課題
〔加藤千幸@東大〕(50)
  1. 研究の背景
    • 1.1 非定常流れ解析の必要性
    • 1.2 アンサンブル平均モデル(RANS)の限界
    • 1.3 LESの特徴(メリットとデメリット)
  2. 基礎方程式と数値解析法
    • 2.1 LESの基礎方程式
    • 2.2 音の解析の基礎方程式
    • 2.3 数値解析手法
  3. 基礎検証
    • 3.1 計算コストに関する検討
    • 3.2 計算精度に関する検討
  4. 応用例(解析事例)
    • 4.1 ポリゴンミラーの騒音解析
    • 4.2 産業用ポンプの騒音解析
    • 4.3 ダービン翼列内流れの直接解析,他
  5. 今後の課題
    • 5.1 乱流境界層の解析
    • 5.2 音の直接計算,他
3-2 CIP法とMulti-Moment有限体積法
〔肖鋒@東工大〕(50)

本講義では、拡張したCIPの概念に基いて、最近研究を進めている一般流体シミュレーションに適用できるCIP/Mutli-Moment有限体積法を紹介する。基本的な考え方及び定式化を説明し、計算例を示す。

  1. 簡単な歴史
  2. CIP法の基本的な考え方
  3. もうちょっと拡張した概念
    • (a) シングル・モーメントスキームとマルチ・モーメントスキーム
    • (b) CIP/Multi-Moment法とDG法
  4. CIP/Multi-moment有限体積法
    • (a) スカーラー保存則
    • (b) システム保存則
    • (c) 圧力プロジェクションに基づく定式化など
  5. 計算例
  6. まとめ
3-3 特別講演「マルチスケールモデリングに向けて 〜材料分野におけるアプローチ〜」
〔東京大学教授 土井正男先生〕(60)
3-4 粒子法構造解析の理論と非線形問題への応用
〔酒井譲@横国大〕(50)
【Non-standardなCAEソフトウェアの動向-(1)】
3-5 粒状体およびブロック体の個別要素法ソフトの紹介
〔曹国強@CRC〕(50)

個別要素法(DEM)は基本となる要素形状から、粒状体タイプとブロックタイプに別けられる。粒状体個別要素法の要素は鋼体である球で、それらの移動及び相互作用を考慮する。ブロック体の個別要素法は任意形状のブロック要素を用い、剛体だけではなく弾塑性を含む変形体の挙動も取り扱える。
個別要素法は、土粒子、砂、および粉体などの粒状体の流動・混合挙動だけでなく、粒子またはブロックの集合体として動的な破壊を含めた固体材料の挙動も取り扱うことができ、変形から破壊、亀裂の進展、崩壊といった非連続体挙動解析、または大規模な崩壊・破壊および流動シミュレーション解析が可能である。
ここでは、DEMの考え方および解析手法を紹介し、土木、機械などの分野での応用例を紹介する。

  1. DEMの概要
    • 1.1 特徴および解析手法
    • 1.2 基本理論の簡単な紹介
    • 1.3 研究およびソフト開発の歴史
    • 1.4 適用分野
  2. DEMソフトの簡単な機能紹介
    • 2.1 粒状体タイプ(PFC2D/PFC3D)
    • 2.2 ブロックタイプ(UDEC/3DEC)
  3. 応用例の紹介
    • 3.1 土木工学分野での応用例
    • 3.2 機械工学分野での応用例
    • 3.3 その他の応用例
【ゴム分科会報告】
3-6 ゴム分科会報告
〔井戸浩登@ソニー・末松芳幸@エムエスシーソフトウェア・三原康子@メカニカルデザイン〕(60)

特定非営利活動法人非線形CAE協会では、2001年より「非線形CAE勉強会」を開催してきたが、実践的な課題や個々の技術テーマに対し、より深い見識と技術を身につけるための取り組み方を模索していた。2005年5月にゴム材料の挙動に関する分科会活動が提案され、実務的なモデル化技術に関する検討が開始された。汎用の構造解析ソルバー ABAQUS, ADINA, ANSYS, LS-DYNA, MSC/MARC でゴム材料を扱う際の
 ・材料モデルの背景理論の理解
 ・材料モデルの特徴&問題点の把握
 ・材料試験
 ・カーブフィッティング
 ・検証計算
について検討を行った。計49名の参加者により、’05年5月から’06年3月までに計5回の分科会が開催された。
この1年間の活動内容について紹介する。

  1. ゴム分科会の活動概要 (井戸:10)
     背景・目的
     分科会の活動履歴
     材料試験について(2軸引張り試験、粘弾性試験)
  2. 超弾性モデルでの取り組み (末松:20)
  3. 粘弾性モデルでの取り組み (三原:20)
  4. まとめ(井戸:10)
      成果物(CAE用材料DB)の解説
      2006年度の活動予定