非線形CAE勉強会

第19期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第3日目(2011/7/2,10:00〜16:50)

3-1 CFDの基礎
〔樫山和男(中央大学)〕
  1. CFD概論
  2. CFDで用いられる主な離散化解析手法の基礎
    • 2.1 有限差分法
    • 2.2 有限体積法
    • 2.3 有限要素法
    • 2.4 時間の離散化(陽解法と陰解法)
  3. 離散化における注意点
    • 3.1 安定化手法
    • 3.2 メッシュ分割と時間分割
    • 3.3 その他
3-2 材料モデリングの基礎
〔吉田純司(山梨大学)〕

実際の構造物や構造部材は様々な材料を用いて構成されており,これらの挙動を精緻に解析するためには,精度の高い材料モデルを用いる必要がある.材料モデルは,材料によって簡易なものから複雑なものまで数多く提案されているが,本講義では,金属の非線形材料モデルの代表として,微小変形を前提とした弾塑性論の基礎と,FEMに用いる際に必要となる計算手法の基礎について学習する.弾塑性モデルをFEMに用いるための定式化は,弾塑性論と似通っている点もあるものの,応力積分アルゴリズムや接線係数など計算力学の分野で独自に発展した内容が多々あり,弾塑性論を学んだだけでは十分とは言えない.本講義では,まず,1次元の弾塑性モデルを例にとり,弾塑性論の概念や基礎事項と,それらを計算力学で用いる際に広く利用されている応力積分法および整合接線係数について説明する.次いで,これらを3次元に発展させた弾塑性論と,計算手法について詳しく説明していく.ただし,講義の時間の制約から,降伏関数などは等方性のMises型に限ることとする.

  1. 材料の性質と力学モデル(イントロダクション)
  2. 1次元での弾塑性モデル
    • 2.1 1次元の摩擦モデル
    • 2.2 等方硬化型弾塑性モデル
    • 2.3 移動硬化と複合硬化型弾塑性モデル
    • 2.4 弾塑性モデルの応力積分の概要
    • 2.5 等方硬化型弾塑性モデルの応力積分
    • 2.6 複合硬化型弾塑性モデルの応力積分
  3. 3次元での弾塑性論
    • 3.1 古典的弾塑性論の概要
    • 3.2 3次元でのJ2流れ則
    • 3.3 一般の2次形式を有する弾塑性モデル
  4. 3次元弾塑性モデルでの計算手法
    • 4.1 ひずみ主導問題でのアルゴリズムの基礎
    • 4.2 非線形の等方硬化・移動硬化を有するJ2流れ則
3-3 流体構造連成問題に対するCAE入門
〔山田貴博(横浜国大)〕

流体構造連成問題の数値計算を実施し,物理的に妥当な解を得ることは容易ではないことが多い.これは問題毎に注意すべき点が異なることが一因である.ここでは,問題の物理現象としての特徴と関連付けながら,計算手法の選択とモデル化の考え方についてを概説する.

  1. 流体構造連成問題とその数値計算上の観点
  2. 流体構造連成解析のための数値計算手法
    • (1) 連成解法
    • (2) 移動境界手法
  3. 流体構造連成解析手法の設計
  4. 事例紹介