非線形CAE勉強会

第31期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「非線形CAEの新しい潮流」

第3日目(2017/6/24,10:00〜16:55)

3-1 新しい潮流と非線形CAE
〔寺田賢二郎(東北大学)〕
3-2 粒子法
〔越塚誠一(東京大学)〕

粒子法はメッシュを用いずに連続体力学の支配方程式を離散化してシミュレーションを行う方法である.ここでは粒子法の1つであるMPS(Moving Particle Semi-implicit)法について,その基本的な原理,流体に関する計算例,最新の研究,および今後の展開について解説する.

  1. 様々な粒子法
  2. 粒子法の特徴
  3. MPS法の原理
  4. MPS法を用いた流体解析の例
  5. 最新の研究の紹介
  6. 今後の展望
3-3 V & V
〔山田貴博(横浜国立大学)〕

V & V(Verifiction and Validation,検証と妥当性確認)は,近年,数値シミュレーションの信頼性を確保するための標準的な手法となっている.本講義では,まずV & Vの考え方と現在提示されている各種のガイドラインの概要について説明する.また,具体的にV & Vの実施において用いられる各種の手法について解説する.さらに,ASMEを中心とした海外における規格化の動向について紹介する.

  1. V & Vとは
  2. V & Vガイドラインについて
  3. V & Vの手法
  4. 海外の企画化の動向
3-4 Basis of IGA and its application to surface mechanics
IGA(アイソジオメトリック解析)の基礎とその表面力学への応用
〔Ilker Temizer(トルコ国Bilkent大学)〕
  1. Introduction to Computational Contact Mechanics: FEM Formulation and Classical Algorithms
  2. Idea of IGA: Transition from CAD to CAE
  3. Examples of Contact with IGA and Applications to Multiscale Contact Mechanics
  4. Outlook: Ongoing Developments and Industrial Implementations (Approximate Timing: 1&2 = 25 min, 3&4 = 30 min)
3-5 心臓有限要素解析の医療・創薬への応用
〔岡田純一(東京大学)〕

心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を果たす重要な臓器である.また心臓疾患は日本の死因の第二位,米国では第一位となっている.我々は,計算科学を心臓疾患治療に活用すべく,世界に先駆けて有限要素法に基づく心臓シミュレータ(UT-Heart)を開発した.心臓の解析のためには,電気現象-興奮収縮連関現象-力学現象間の相互作用を考慮する事が必要となる.また例えば心電図は心筋細胞-心臓-胸郭の多階層に渡る現象の結果として観測されるものである.UT-Heartはこれらの現象・階層を統合して解析を行うマルチスケールマルチフィジックスシミュレータである.UT-Heartの利用により心臓理解の増進と共に,これまでに無い新たな医療機器,薬剤,治療法の開発が可能になりつつある.UT-Heartの概要を解説すると共に応用例を紹介する.

  1. 心臓の数理モデル化
  2. 心臓シミュレータの概要
  3. 心臓シミュレータの実用化について
  4. 心臓シミュレータの医療への応用
  5. 心臓シミュレータの創薬への応用
3-6 航空宇宙分野における設計情報学の駆動
- 多分野融合多目的最適設計から非定常空力現象兆候検出まで
〔千葉一永(電気通信大学)〕

設計情報学は,問題定義・データセット構築・データマイニングに3本柱で成り立つ.データマイニングで得られた設計知識を如何に問題定義にフィードバックさせるか,つまり,得られた知識を如何に駆動させるかが重要となる.本講演では,設計情報駆動の考え方,および今後のトピックとなる非定常大規模データセットに対する応用事例を概説する.