非線形CAE勉強会

第31期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「非線形CAEの新しい潮流」

第4日目(2017/6/25,10:00〜16:45)

4-1 最適化の基礎と構造最適化
〔山田崇恭(京都大学)〕

近年のCAE技術の発展と計算機性能の向上に伴い,CAEを利用した設計案の改善が積極的に図られるようになっています.構造最適化は、設計者の勘や経験に頼らずに,CAEによる力学的評価と数学的根拠に基づいて,構造物の最適な形状を求める方法です.ここでは,最適化の基礎から構造最適化の概要を中心に紹介します.

  1. 構造最適化とは
  2. 最適化の基礎
  3. 設計問題と感度解析
  4. 構造最適化への適用
  5. まとめ
4-2 衝突CAEのビッグデータ活用
〔井山淳(日産自動車)〕

近年のコンピュータ性能の向上は、膨大な量のデータ分析を現実的な時間で処理すること可能にし、これを受けて、機械学習などの統計的手法の活用が注目を集めている。

機械学習は規範となるデータを集めることが重要な課題となるが、CAEは物理現象を示したデータを比較的簡単に入手できる。このため、CAEと統計的手法は相性が良く、大量・良質のCAE結果をビッグデータとし分析することで新たな知見を得られる可能性が高い。今後、CAEエンジニアにとってビッグデータ活用の知識は、業務の質を向上するための重要な要素となりうる。

本講義では自動車の衝突シミュレーションの結果をビッグデータとし分析実行した例を中心に、統計的手法とその基盤となるデータの蓄積方法の概要について紹介する。

4-3 1DCAE
〔渡辺隆紀(ニュートンワークス)〕

1DCAEはCAE活用の場を概念設計や機能設計へと拡げるための重要な考え方の1つです。はじめに、1DCAEの考え方や実現のための要点を実際に設計・開発現場で使用されているツールを用いながら説明していきます。次に1DCAEとFEMの関係性について述べたのち、1DCAEにおけるFEMの活用として、FEMモデルや解析結果を1DCAEで活用する簡単な例を紹介していきます。

  1. 1DCAEとは
  2. 1DCAE実現のために
  3. 1DCAEとFEMの関係性
  4. FEMモデルの活用
4-4 不確かさの定量化
〔山田貴博(横浜国立大学)〕

不確かさは,工学の設計,製造プロセスにおいて避けられないものである.したがって,数値シミュレーションにおいても不確かさを考慮することがその信頼性を確保する上で重要となる.また,V & Vにおいては,不確かさの定量化(UQ, Uncertainty Quantification)を含めて検討することが求められている.本講義では,不確かさの考え方と不確かさを考える上で必要な手法を解説するとともに,不確かさを考慮した典型的なV&Vプロセスの例を提示する.

  1. 不確かさとは
  2. 不確かさの定量化手法
  3. V & V+UQの実施例
4-5 パネルディスカッション
いまどきのCAEで解けない問題
〔司会:岡澤重信(山梨大学),表竜二(豊田中研)
パネリスト:伊田徹士(JSOL),井上岳(サイバネット),生出佳(メカニカルデザイン),鈴木健太郎(ダッソー・システムズ),永井亨(エムエスシーソフトウェア)〕
4-6 総括
〔運営委員〕