非線形CAE勉強会
第33期非線形CAE勉強会・シラバス
「データサイエンスとCAE」
第3日目(2018/6/2,10:00〜16:30)
3-1 | イントロダクション 〔山田貴博(横浜国立大学)〕 |
3-2 | マテリアルズ・インフォマティクスの意義と課題 〔寺倉清之(物質・材料研究機構)〕 |
- マテリアルズ・インフォマティクスとは何か
- 1−1 演繹的アプローチ vs 帰納的アプローチ
- 1−2 機械学習の基本的体系
- 1−3 記述子
- 1−4 線形 vs 非線形、カーネル法
- Bayes 推定
- 2−1 帰納的方法の基盤としての 考え方
- 2−2 パラメータ推定
- 2−3 モデル選択
- 2−4 Bayes 最適化
- 転移学習
- 3−1 狙い
- 3−2 適用例
- 3−3 multi-fidelity model
- 碁や将棋のソフトの機能の水平展開
- 4−1 人工知能:big data への対応
- 4−2 Monte Carlo Tree Search
- 4−3 強化学習:転移学習から更に先へ
- まとめ
3-3 | 人工知能を活用した洪水予測 〔一言正之(日本工営)〕 |
全国各地の河川で、毎年のように洪水・氾濫による災害が起きている。大雨時、数時間先の川の水位を前もって予測することができれば、洪水の被害軽減に役立てることができる。
本講演では、近年の発展が著しい人工知能技術について概観するとともに、洪水予測への応用事例、周辺分野への応用に向けた今後の展望を紹介する。
- 人工知能技術の概観
- 機械学習の基礎知識
- ニューラルネットワークとディープラーニング
- 洪水予測への適用例
- 今後の展開
3-4 | 多目的・他分野・最適化:流体に関して 〔立川智章(東京理科大学)〕 |
実際の設計最適化問題では,互いに相反する目的関数(評価基準)が複数存在する多目的最適化問題となる場合が多い.多目的最適化問題に対するアプローチの一つに進化計算がある.本講演では,進化計算の中でも多目的進化計算の基本的なアイデアと最近の動向について触れるとともに,ロケット射点形状の空力音響多目的最適化問題への適用事例を紹介する.
- 多目的最適化とは
- 多目的進化計算の基礎
- 2.1 進化計算とは
- 2.2 MOGA
- 2.3 NSGA-II
- 2.4 最近の動向
- ロケット射点形状の空力音響多目的最適化
- まとめ
3-5 | 複合領域最適設計(Multidisciplinary Design Optimization)とデータマイングを用いた車体構造の軽量化検討 〔小平剛央(マツダ)〕 |
はじめに、本内容は、設計変数が、スカラー値、例えば、板厚、材質、寸法などの、パラメトリック最適化に分類される最適化の自動車車体構造の軽量化への適用内容に関して報告します。最適化技術は、1980年代後半には、汎用CAEソルバー、90年代後半には、汎用最適化ソフトが商用化され、専門知識を有しない解析選任者、設計者でも容易に使える環境になりました。さらに、近年の計算機性能、CAE精度向上に伴い、ものづくりの現場では、実験評価をCAEのみで行う取り組みが加速しています。このような技術進化の背景と、社会的背景としての環境問題、顧客ニーズの多様化、開発期間の短縮化などが求められ、多くの車種仕様の検討が可能な最適化技術が着目されています。2000年代初めには欧米を中心に研究開発から商品開発適用が始まっています。しかしながら、日本では、一部の領域を除いて、最適化は製造業の中で、市民権を得ているとはいえません。本報告では、自動車の車体構造を対象に、複数の物理現象の商品性能が要求される制約の中(Multidisciplinary Design Problem: 複合設計問題)で、どのようにして、最適化技術を用いて、製品の図面化まで可能にしたのか、失敗事例も含めながらご紹介します。なお、最適解を導出するところまでをプリ処理(複合領域最適化)、最適解から図面化(データ分析活用)までをポスト処理(データマイニング)として定義しており、また近年、注目されている機械学習とデータマイングの違いにも触れながら説明します。本講義を聴くことで、なぜ、その境地にたどり着いたのかご理解いただけると同時に、自身の課題において、最適設計が有用な業務課題があることがイメージできるようになると思います。
- 世の中にある最適化技術
- 最適化と最適設計の誤解
- 最適設計へたどり着くまでの失敗事例
- 設計者が使える最適化技術=最適設計とは?
- 最適設計のプロセスを定義
- 最適設計を用いた軽量化検討