非線形CAE勉強会
第37期非線形CAE勉強会・シラバス
「非線形CAEの本質を見る力〜課題解決力のレベルアップ〜」
第2日目(2020/11/ 7,10:00〜16:10)
2-1 | 連続体の力学 ※途中休憩時間を含む 〔京谷孝史(東北大学)〕 |
- Cauchy応力テンソルとつり合い式
- 変形勾配テンソル
- 有限ひずみテンソルと微小ひずみテンソル
- 構成則の役割(微小ひずみ理論を例に)
- 仮想仕事式
- 種々の応力テンソル
- および上記に関連した数学の基礎
2-2 | 大変形の本質を見る力 〔岡澤重信(山梨大学)〕 |
有限要素法を微小変形から大変形へと拡張するためには,ある程度の壁を乗り越える必要がある.そのためには連続体力学に忠実なひずみや応力の定義を行って,物体の変形を数理的に正確に記述しなくてはならない.ここでは大変形を記述するためのひずみや応力の定義について触れて,それらを用いた離散化による例題計算によって大変形の本質を説明する.
2-3 | 陽解法と陰解法の本質 〔伊田徹士(JSOL)〕 |
近年構造解析は研究分野だけでなく、製品開発の現場においてなくてはならないものとなっている。この中で、CADなどに組み込まれたり、統合IFが用意されている線形解析は特に予備知識なく使えるようになってきているのに対して、非線形解析はいまだ、専門家とは言わずとも、解析にかかわる知識を要求される。この非線形問題を数値的に解く方法として多くの汎用ソフトウェアには陰解法、陽解法といった直接時間積分法を実装していることが多い。解法の選択はユーザーに任されていることがほとんどだが、それぞれの手法の本質を理解せずに解法を選択すると間違った答えが得られてしまったり、そもそも答えが得られないといった問題に陥ることも多い。本講演では、陰解法・陽解法の本質を理解するため簡単な例題を交えながら理論を数式でトレースする。そして、本質を理解した上で、いくつかの実例に対してどちらの解法を選択するべきかの指針を紹介する。