非線形CAE勉強会

第45期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「非線形CAEの基礎固め −非線形の本質の分類と解法−」

第2日目(2024/12/1(日) 9:30〜17:00)

2-1 テンソル解析の基礎・演習2
〔車谷麻緒(茨城大学)〕

連続体力学の書籍をひらくと,図はほとんどなく,数式ばかりであることがわかります.そして,その数式には,ほぼ間違いなくテンソルが含まれています.すなわち,連続体力学を理解するには,テンソルの修得が不可欠となります.この講義では,テンソルの理解,テンソルの表記,テンソルの演算について解説します.また時間の許すかぎり,簡単な例題や演習問題をとおして,テンソル演算を自身で行えるようになることを目指します.第2日目は「微分演算」を主に取り上げます.

2-2 連続体の力学
※途中適宜休憩を含む
〔京谷孝史(東北大学名誉教授)〕
  1. Cauchy応力テンソルとつり合い式
  2. 変形勾配テンソル
  3. 有限ひずみテンソルと微小ひずみテンソル
  4. 構成則の役割(微小ひずみ理論を例に)
  5. 仮想仕事式
  6. 種々の応力テンソル
  7. および上記に関連した数学の基礎的事項
2-3 有限変形のための有限要素法定式化
※途中休憩時間を含む
〔山川優樹(東北大学)〕

この講義では,連続体力学で学んだことをベースとして固体と構造の準静的問題の有限要素解析法を定式化する一連のプロセスを解説する。はじめに,有限変形解析で用いられる応力テンソルや変形テンソルなどについて簡潔におさらいする。その上で,幾何学的非線形性を考慮した有限変形問題の有限要素解析法の定式化を詳説する。その際,微小変形の場合との相違点に着目しながら,有限変形解析に関する理解を深める。平衡方程式を記述する際に解析対象物体のどの状態を参照するかの違いにより,有限変形問題の解析法は全ラグランジュ法と更新ラグランジュ法に大別されるが,両者の相互関係について言及する。また,非線形解析の実践において必須となる非線形平衡方程式の求解法と平衡経路の追跡法について述べる。さらに,非線形弾性や弾塑性などの構成則を導入した材料非線形性を伴う問題の取り扱いについても解説する。