非線形CAE勉強会
第3期非線形CAE勉強会・シラバス・第2日目
第2日目:非線形CAEにおける材料モデル [ 2003年5月11日 ]
概論 | 構成則と有限要素法 〔野口裕久@慶応大〕(60) |
- 有限要素法における構成則の役割
- 各種構成則の概要
- 古典弾塑性理論
- ・弾塑性材料の力学的挙動
- ・降伏関数
- ・関連流れ則
- ・硬化則
- 有限要素法への適用
- ・弾塑性 FEM 解析における留意点
- ・応力積分
- ・除荷
- ・接線剛性
- 幾何学的非線形を考慮した塑性解析
- ・微小ひずみ大変位問題
- ・大ひずみ塑性問題
- 材料非線形問題と有限要素
- ・非圧縮性問題(超弾性、大ひずみ塑性)
- ・混合型有限要素法
- 付 物質客観性の原理
- ・A.1 構成式の客観性
- ・A.2 客観速度とスピン
講義A | 金属の材料モデル(90) 構成則の理論〔桑原利彦@東京農工大〕 汎用CAEソフトにおける利用〔鈴木規之@新日鐵〕 |
講義B | 高分子樹脂材(ゴム・ポリマー)の材料モデル(90) 構成則の理論〔冨田佳宏@神戸大〕 汎用CAEソフトにおける利用〔永田孝弘@Mech.Des.&Anal.〕 |
講義C | 複合材の材料モデル(90) 「航空宇宙分野への先進複合材応用状況と、複合材の特異な非線形問題の解明に向けて」〔石川隆司@航技研〕 |
まず、最近の航空宇宙構造、特に航空機構造において、先進複合材、とりわけ炭素繊維強化プラスチックの適用が非常に拡大している傾向を説明し、その最新状況を簡単に展望する。そして、その設計開発・強度保証に用いられているBuilding Block Approachについて簡単に説明するとともに、その過程で構築される複合材データベースの概要について説明し、その重要性についての認識を示す。そして、そのデータベース構築のために行われる多種類の試験に現れる非線形現象の代表的なものについて説明し、とくに複合材に特異な多重の非線形性を示す現象に対する解析結果の例を紹介し、複合材への非線形力学の適用の大筋を示す。
- 航空機への先進複合材(特にCFRP)の適用の歴史的推移
- 航空機への先進複合材の適用の現状: 600人乗り巨人機Airbus A380を例として
- 複合材構造の設計・強度保証のためのBuilding Block Approachについて
- Building Block Approachの共通部分=データベースの役割と重要性
- データベース構築のための試験の中に現れる非線形現象について
- ・一方向材0度方向の硬化型非線形性について:例と基礎構成式
- ・±45材の材料非線形性の例と構成式の考え方
- ・CAI試験の簡単な説明と生じている現象の解析例
- ・OHC試験の簡単な説明と非線形破壊現象の観察結果
- ・T型補強材の圧縮座屈後の破壊の非線形解析例と将来の方向
- 将来の方向=Building Block Approachの数値解析による置き換え: Boeing社の試み紹介
- 結言
講義C | 複合材の材料モデル(90) 「汎用のCAEツールを使用した複合材料のモデル化」〔平山紀夫@日東紡〕 |
ここ数年で汎用のCAEツールは飛躍的に進歩したが、複合材料を使用する設計者が手軽な解析・設計のツールとして3次元解析を行うためには、まだまだ多くの問題点を抱えている。
これらの問題点のなかで、設計者が利用する上で大きな障害となるのは次の4点である。
- 材料物性値の定義が困難である。(材料のモデル化)
- 形状の定義以外に材料主軸の定義を行わなくてはならない。(異方性のモデル化)
- 積層構造としてのモデル化(定式化)が複雑である。
- 解析結果の評価方法に確立されたものがない。(破壊基準など)
本講では、汎用のCAEソフトで複合材料をモデル化し、解析を進める際に課題となる、これらの4つの問題点について解説する。