非線形CAE勉強会
シラバス
第3日目:連成CAE-I (2006年 1月7日 土曜日)
3-1 | 機構と構造の連成CAE:基礎 〔清水信行@いわき明星大〕(50) |
機構解析はマルチボディダイナミクス(MBD ; Multi Body Dynamics、多体系動力学)の一分野と考えられている。MBDには剛体MBD(MRBD ; Multi Rigid Body Dynamics)と柔軟MBD(MFBD ; Multi Flexible Body Dynamics)と呼ばれる二分野がある。MRBDでは剛体と考えられる多くの部品が連結したシステムの運動や制御を解析するのに対して、MFBDでは剛体と柔軟体の部品からなるシステムの運動や制御を解析する。従来の構造・振動解析が主に構造体の静的な変形や動的な振動(平衡点周りの運動)を扱っていたのに対して、MFBDでは主に機構を有するシステムや形態が大きく変わるシステムの運動、振動および制御を扱う。ここでは、機構と構造の連成CAEの基礎を解説することを念頭に置きながら、柔軟多体系の動力学: MFBDについて現状の解析技術を簡単に紹介する。
- MBDの歴史的な背景
MRBDの確立とMFBDの発展 - MFBDの応用分野の紹介
車の分野の例、OA機器の例、建設機械の例、その他 - 代表的なMFBDの理論の簡単な紹介
大回転ベクトル法、有限要素法、浮動基準枠法、絶対節点座標法、相対節点座標法など - 絶対節点座標法(Absolute Nodal Coordinate Formulation)の基礎
ANCFについてその基本的な考え方、特徴とその研究の周辺 - 相対節点座標法(Relative Nodal Coordinate Formulation)の基礎
RNCFについてその基本的な考え方、特徴とその応用性 - 今後の方向
3-2 | 機構と構造の連成CAE:応用 〔稲垣瑞穂@豊田中研〕(40) |
3-3 | タイヤにおける連成CAE 〔瀬田英介@ブリヂストン〕(50) |
3-4 | 特別講演「変態・熱・力学と相変態を伴う過程のCAEへの応用」 〔福山大学教授,京都大学名誉教授 井上達雄先生〕 (50) |
3-5 | 構造と音の連成CAE:基礎 〔浦田喜彦@静岡理工科大〕(50) |
- 基本的な事項
- 1.1 典型的な連成現象
- 1.2 構造と音の連成の扱い方
- 1.3 連成のある場合の方程式の立て方(一般論)
- 1.4 もっとも単純な連成振動の例 … 一次元モデル
- 1.5 弾性円管と流体の連成波動
- エバネセント波と境界条件
- 2.1 無限長or無限平面での解析の意味
- 2.2 エバネセント波 … はりの曲げ振動の例
- 2.3 壁面の振動と音のエバネセント波
- 2.4 剛管におけるエバネセント波の数理的背景
- 2.5 境界条件とエバネセント波
- 2.6 連成波動におけるエバネセント波
- 2.7 エバネセント波についてのまとめ
- 構造と流体の連続性
- 3.1 方程式の形からもたらされる接合境界上の非適合性
- 3.2 選点法による連続条件の緩和
- 3.3 構造と音場の連続性の問題
3-6 | 構造と音の連成CAE:応用 〔上田至朗@日本CDH〕(40) |
3-7 | ディスカッション〜連成で悩むこと〜 (60) |