非線形CAE勉強会
第17期非線形CAE勉強会・シラバス
第1日目 (2010年5月29日土曜日)「CAEの物理モデル」
1-0 | 前半イントロダクション(V&Vの意味と枠組み) 〔瀧澤英男(三菱マテリアル)〕 |
勉強会を開催するにあたって,今期の勉強会の趣旨について説明する.精度を追い求めた仮想実験のみがCAEの役割ではないものの,解析結果によって重要な決断をせざるをえない場合も多くなっている.このような問題に対して解析の品質を考えるための方法論としてV&Vがある.V&Vの二つの"V"の意味について解説し,このV&Vを切り口として非線形CAEを学んでいく枠組みを説明する.
1-1 | 物理モデルの数学表現 〔京谷孝史(東北大学)〕 |
物理モデル(力学モデル)は数量を用いて数式によって記述される.それを理解し,また自在に操れるようになるための基礎となる数学的知識を解説する.
- ベクトルとテンソル
- 正規直交基底,数ベクトル,行列
- 対称行列の固有値と固有ベクトル
- 全微分と方向微分
- ガウスの発散定理
- 物質表示と空間表示
- 物質時間微分と輸送定理
- 各種保存則の誘導
1-2 | 力学モデルとしての構造力学 〔吉田純司(山梨大学)〕 |
大学での構造力学は,ベルヌーイ・オイラー梁(以下,単に梁と呼ぶ)やトラスを中心として,公式を用いた計算問題が主となっており,有限要素法(FEM)等で用いられている理論とのギャップを感じることが多い.本講義では,梁・トラスをまとめて棒部材として扱い(梁要素を用いた骨組み構造のFEMでは,トラス・梁を同時に扱う),前提となる仮定や支配方程式の導出など,最も基本となる理論展開について,簡単な演習を交えながら説明する.また,FEMでは多様されているティモシェンコ梁についても前提となる仮定,支配方程式の導出,ベルヌーイ・オイラー梁との違いなど,基本となる理論展開について説明する.
- トラス・梁の理論
- 1.1 トラス・梁理論での仮定
- 1.2 ベルヌーイ・オイラー梁と線形弾性体
- 1.3 トラス・梁の断面力
- 1.4 トラス・梁の平衡方程式と運動方程式
- 1.5 トラス・梁の支配方程式
- 1.6 トラス・梁の境界条件
- ティモシェンコ梁
- 2.1 ティモシェンコ梁での仮定
- 2.2 ティモシェンコ梁での断面力
- 2.3 ティモシェンコ梁での平衡方程式と運動方程式
- 2.4 ティモシェンコ梁の境界条件
- 練習問題