非線形CAE勉強会

第20期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第3日目(2011/12/10,10:00〜16:00)
 加工法・亀裂・疲労・振動 (名工大 F1教室)

3-1 成形加工におけるトライボロジーの実験的解析
〔北村憲彦(名古屋工業大学)〕

成形加工では,鍛造のように型と材料との接触条件は極端に厳しい.材料の内部や表面の流動の様子や摩擦界面にトラップされた潤滑量の分布などを実 験的に調べた例を紹介する.

3-2 CAEによる振動解析
〔籾井秀斗(エステック)〕
  1. 振動解析の対象とする現象
  2. 有限要素法による振動解析
  3. 実験との比較およびコリレーション
  4. 改善対策検討 〜分析手法の紹介〜
3-3 破壊力学解析−き裂パラメータとその計算法
〔岡田裕(東京理科大学)〕

有限要素法を利用したき裂問題の解析,すなわち破壊力学解析について基本的事項について解説する.主として,線形問題でのき裂パラメータ(応力拡大係数とエネルギ解放率)」その計算法を取り上げ,それらの考え方や使用上の注意点について解説し,さらに,構造健全性解析で用いられるき裂進展解析について概観する.

  1. 破壊力学と破壊力学パラメータ
    • ・なぜき裂の解析に破壊力学が必要?
    • ・き裂の変形モード
    • ・応力拡大係数
    • ・エネルギ解放率
  2. 有限要素法を用いた破壊力学解析
    (有限要素法を用いた応力拡大係数やエネルギ解放率の計算法)
    • ・直接法とエネルギー法
    • ・直接法による応力拡大係数計算の考え方
        Barsoum の特異要素
    • ・エネルギー法による応力拡大係数計算の考え方
        仮想き裂進展法
        仮想き裂閉口積分法
        J 積分法
  3. 経路積分と領域積分
    • ・三次元問題への拡張
    • ・非線形問題への拡張
  4. き裂進展問題(構造健全性解析)
    • ・疲労き裂進展解析
    • ・応力腐食割れ
3-4 高分子材料の物性−天然ゴム−
〔河原成元(長岡技術科学大学)〕

ゴム状態で活発に運動する高分子(ゴム状高分子)は,紐としての性質が顕著となり,ゴム弾性や粘弾性といった特有の性質を示す。これらの性質は高分子の長さや形を反映する分子量,分岐および架橋に関係づけられる。この高分子に特徴的なゴム弾性や粘弾性等に関するデータを入力することにより、CAEを行うことができるのが合成ゴムである。しかしながら、天然ゴムでは、非線形性が顕著となるため、容易にCAEを行うことはできない。天然ゴムに関して、どのような問題が潜んでいるのかを実験的に解析した結果を紹介する。

  1. 合成ゴムのCAE
  2. 天然ゴムとは
  3. 天然ゴムの非ゴム成分の効果
  4. 天然ゴムの伸長結晶化の効果
  5. 天然ゴムの架橋点の構造の効果
  6. 天然ゴムブレンド
3-5 伝熱CAEの基礎と応用〜熱流動(CFD)・電気化学連成シミュレーション〜
〔岩井裕(京都大学)〕

基礎編
伝熱工学の基礎を概説したのち,最も基本的な手法のひとつである有限体積法について,平行平板間流れの対流伝熱を対象に説明する.またエクセルを用いて数値解析プロセスのビジュアルな表現・理解の方法を紹介する.

  1. 伝熱の基礎
  2. 熱流動解析の基礎:平行平板間流れの熱流動解析(支配方程式,境界条件,有限体積法)
  3. エクセルによるビジュアルな数値解析法

応用編
熱流動解析をベースとした複合解析の例として,固体酸化物形燃料電池のシミュレーションモデルについて説明する.

  1. 課題設定(固体酸化物形燃料電池のシミュレーション)
  2. 解析モデル(熱流動,電気化学反応,電圧・電流場)
  3. 連成シミュレーションの結果例