非線形CAE勉強会

第23期非線形CAE勉強会・シラバス

 

第3日目(2013/6/1,10:00〜17:00)

3-1 拡張有限要素法(XFEM)によるき裂・損傷進展解析
〔長嶋利夫(上智大学)〕
  1. XFEMの概要
    • 1.1XFEMの背景
    • 1.2XFEMの基礎
    • 1.3レベルセット法
    • 1.4XFEMの形状関数
  2. XFEMによるき裂・損傷進展解析解析例
3-2 破壊力学解析−き裂パラメータとその計算法/き裂進展解析
〔岡田裕(東京理科大)〕

き裂問題の解析,すなわち破壊力学解析について基本的事項と数値解析手法について解説する.主として,線形問題でのき裂パラメータ(応力拡大係数とエネルギ解放率)の計算手法を取り上げ,それらの考え方や使用上の注意点について解説し,き裂解析で使用される手法(FEMとその周辺技術,X-FEM,S-FEM,FE-Alternating Method)について概観する.さらに,講演者らが行っているき裂解析の一部を紹介する.

  1. 破壊力学と破壊力学パラメータ
    • ・なぜき裂の解析に破壊力学が必要?
    • ・き裂の変形モード
    • ・応力拡大係数
    • ・エネルギ解放率
  2. 有限要素法を用いた破壊力学解析
    (有限要素法を用いた応力拡大係数やエネルギ解放率の計算法)
    • ・エネルギ法による応力拡大係数計算の考え方
    •   仮想き裂進展法
    •   仮想き裂閉口積分法
    •   J積分法
    •     経路積分と領域積分
    • ・三次元問題への拡張
  3. き裂進展問題(構造健全性解析)
    • ・何が難しいのか?
    • ・疲労き裂進展解析
    • ・応力腐食割れ
  4. まとめ
3-3 延性破壊予測モデルと破壊パラメータ同定および塑性加工におけるバリデーション事例
〔吉田佳典(岐阜大学)〕
  1. 塑性加工における延性破壊
  2. 延性破壊予測モデルと破壊パラメータ
    • 2.1 成形限界線図
    • 2.2 積分型延性破壊条件式
    • 2.3 ボイド理論
  3. 破壊パラメータの同定方法
    • 3.1 画像解析を用いた引張試験による破壊までの応力ひずみ履歴の計測
    • 3.2 最適化手法を用いた変形抵抗測定
  4. 研究およびバリデーション事例
    • 4.1 微小ボイド生成・成長の観察事例
    • 4.2 損傷発展挙動に及ぼす負荷履歴の影響
    • 4.3 局部伸び以降の応力―ひずみ履歴測定事例
    • 4.4 破壊限界と材料種の関係
    • 4.5 塑性加工におけるバリデーション事例
3-4 汎用FEコードにおける破断現象のモデル化
〔LS-DYNA:齋藤啓(JSOL),Abaqus:小林卓哉 (メカニカルデザイン〕

これまでの強度シミュレーションは,破壊が生ずる以前の応力の状態を解析し,破壊発生の可能性を検討することに主要な重点があった.しかしながら設計合理化の要求から,破断発生予測の高精度化や,破壊発生後の残存寿命の予測が昨今の重要な課題となっている. この講義では,LS-DYNAとAbaqusを例に取り上げ,最近の機能のなかから破壊挙動の表現に関する内容を概説する.要目は以下の通りである.

  • ■ LS-DYNA
  •  ・LS-DYNAにおける破断/破壊の表現
  •  ・成形限界線図(FLD)による破断予測
  •  ・応力三軸度に依存した破壊ひずみの定義
  •  ・ダメージモデルによる破壊基準
  •  ・NON-LOCAL理論
  • ■ Abaqus
  •  ・Abaqusの破壊モデルの俯瞰(要素削除,節点解放,メッシュ非依存など)
  •  ・VCCTによるき裂進展解析手法
  •  ・直接周期解析手法
  •  ・両者を組み合わせた低サイクル疲労の解析