非線形CAE勉強会
第23期非線形CAE勉強会・シラバス
第4日目(2013/6/2,9:30〜16:30)
4-1 | 金属疲労の基礎と強度解析の考え方 〔杉村忠士(三菱重工)〕 |
- 金属疲労概論
- (1) 疲労の重要性
- (2) 疲労現象の分類
- (3) 高サイクル疲労
- (4) 低サイクル疲労
- (5) 疲労き裂進展
- 有限要素解析と金属疲労評価
- (1) 計算機能力の進歩と疲労評価法の変化
- (2) 公称応力による方法
- (3) 局部応力による方法
- (4) 有限要素解析結果を疲労強度評価に用いる場合の留意点
- 有限要素法による疲労強度評価例
- コンテナ船の疲労強度評価例
4-2 | 造船業界の疲労設計規格の紹介 〔永井亨(MSCソフトウェア)〕 |
国際航海を行う船舶のうち、ばら積貨物船と油タンカーに対しては、国際船級協会連合(IACS)によって策定された共通構造規則(CSR)が構造設計時に適用される。CSRでは、船体構造の降伏、座屈および疲労強度を有限要素法を用いて評価することが要求されており、その手法が詳細に定められている。本講義では、CSRに定められた有限要素法を用いた強度評価手法のうち、特に疲労強度の評価手法を紹介する。
4-3 | クリープ現象の解析と設計への応用 〔猪狩敏秀(三菱重工)〕 |
- クリープの基礎
- (1) クリープ変形の基礎
- (2) クリープ強度の基礎
- (3) 高温疲労およびクリープ疲労相互作用
- クリープ力学の基礎
- (1) 高温構造の変形の特徴
- (2) リラクセーション
- (3) 曲げを受けるはりのクリープ変形
- (4) 内圧を受ける厚肉円筒のクリープ変形
- (5) 多孔板のクリープ変形
- 高温構造設計の考え方の基礎
- (1) 許容応力とクリープの影響
- (2) 一次応力による破損防止
- (3) 繰返し熱応力による破損防止
- (4) 一次応力と繰返し熱応力によるラチェット変形防止
- (5) FEM構造解析による強度の評価---多軸応力の考え方
- 高温構造信頼性に関する取り組み事例
- (1) ロケットエンジンの寿命評価
- (2) 溶接部のクリープ損傷評価
4-4 | 構造材料における変形・破壊メカニズム解明のための原子・電子シミュレーション 〔君塚肇(大阪大学)〕 |
構造材料における変形,破壊現象を詳細に理解するためにはその素過程であるミクロな物質挙動を明らかにし,その因子がマクロ特性に対して与える影響を把握することが重要である。本講義では特に金属・無機材料を例に,第一原理計算および分子動力学計算等の原子・電子シミュレーションにより材料の強度,変形,破壊特性に関わる原子レベルの機構を解明するアプローチについて説明する。また、それらの適用事例を示しながらそれぞれの利点や制約・課題を述べる。
- 材料の強度,変形,破壊特性に影響する原子レベルの挙動
- 1.1 原子間相互作用
- 1.2 格子欠陥(原子配列の乱れ)の運動
- 1.3 原子の拡散,偏析,析出
- 1.4 変形機構と強化原理
- 原子・電子シミュレーションの基礎
- 2.1 密度汎関数法による第一原理計算
- 2.2 分子動力学計算
- 2.3 擬似連続体計算
- 材料の強度,変形,破壊特性評価への適用
4-5 | 繊維強化プラスチックの変形・破壊に関するマルチスケールモデリング 〔岡部朋永(東北大学)〕 |
- 繊維強化プラスチックの現状
- 複合材料におけるマルチスケールモデリングの考え方、スケール間の情報の受け渡し方法
- メートル単位のモデリング
- ミリメートル単位のモデリング
- マイクロメーター単位におけるモデリング
- サブマイクロメーター単位におけるモデリング
- 分子・原子レベルにおけるモデリング
- 設計、材料開発、製品開発の現場における解析結果の具体的な利用方法
4-6 | 総括 〔運営委員〕 |