非線形CAE勉強会

第40期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「理解にもとづく非線形CAEの活用 〜解ける問題・解けない問題〜」

第3日目(2022/6/25, 9:30〜17:00)

3-1 連続体の力学
※途中休憩時間を含む
〔京谷孝史(東北大学)〕
  1. Cauchy応力テンソルとつり合い式
  2. 変形勾配テンソル
  3. 有限ひずみテンソルと微小ひずみテンソル
  4. 構成則の役割(微小ひずみ理論を例に)
  5. 仮想仕事式
  6. 種々の応力テンソル
  7. および上記に関連した数学の基礎

※上記の内容を,4日間に分けて講義します

3-2 構造系の座屈と計算分岐理論 ―藤井文夫先生追悼講演―
〔田中真人(Toyota Motor North America, Inc. (TMNA))〕

本講義では、故藤井文夫先生のライフワークであった構造系の座屈と計算分岐理論について、その基礎から最近の研究テーマまで、故藤井先生の業績を振り返りながら概説します。分岐現象は、固体や構造に限られることなく、流体力学や電子電気回路、それに社会科学に至るまでの幅広い計算科学で現れる特異点問題です。Euler, Liapunov, Koiterなど数々の著名な研究者たちによって構築された分岐理論は、それ自身完全で美しい理論体系でありながら、現実的な数値解析問題へ適用する際には実践との間に大きな乖離がありました。固体・構造の非線形有限要素法で得られる限られたリソースから分岐構造を特定する計算分岐理論や、現代的な数理ツールを取り入れて最近発展した計算漸近分岐理論まで、理論の変遷を追いながら、旧くは解けなかった座屈問題がどのようにして解けるようになったかを紹介します。

  1. 構造物の不安定現象と分岐現象
  2. 座屈の分類
  3. 計算分岐理論
  4. 座屈問題の解析
  5. 漸近分岐理論
  6. 高精度高次微分手法を用いた新しい計算分岐理論
  7. まとめ
3-3 固体と構造の分岐・座屈解析:理論的基礎と数値計算法 ―藤井文夫先生追悼講演―
〔山川優樹(東北大学)〕

合理化・軽量化を意識した工学設計では,座屈などを伴う不安定現象が構造物の崩壊挙動を支配することが多くなります.また,過酷な使用条件を想定した極限状態における構造物の強度や崩壊挙動の予測評価には,こうした現象を考慮した解析が重要となります.本講義では,故藤井文夫先生のライフワークであった構造系の分岐・座屈問題に関する理論的基礎と数値解析法について概説します.固体と構造の準静的問題を対象とした非線形有限要素解析における分岐・座屈解析に焦点を当て,故藤井先生の業績を振り返りながら,分岐点の検知法,簡便で効率的な分岐モードの数値計算法,分岐経路の追跡手続きなどについて解説し,いくつかの解析事例を紹介します.

  1. 分岐・座屈問題の理論的基礎
  2. 特異点の判定と分類
  3. 分岐モードの数値計算法
  4. 分岐経路の追跡手続き
  5. 簡単な分岐・座屈解析例
  6. 分岐・座屈解析のさまざまな適用事例
3-4 藤井文夫先生追悼講演〜教え子は語る〜
〔岡澤重信(山梨大学)・浅井光輝(九州大学)・佐藤維美(メカニカルデザイン)・小塚祐也(アシックス)・松原成志朗(名古屋大学)〕