非線形CAE勉強会

第43期非線形CAE勉強会・シラバス

 

「CAEにおけるDX」

第3日目(2023/12/16(土)10:00〜17:00)

3-1 CAEにおけるDXとは
〔協会理事:門脇弘(ブリヂストン)〕
3-2 データ同化の基礎理論および演習
〔山中晃徳(東京農工大)〕

ベイズの定理に基づき実験と数値シミュレーションをつなぎ、数値シミュレーションの高精度化や未知パラメータを推定する方法として、データ同化が注目されている。本講義では、各種のデータ同化アルゴリズムの数値シミュレーション(フェーズフィールドシミュレーションや弾塑性有限要素シミュレーション)への実装事例を紹介したうえで、その基礎となるデータ同化の基礎を易しく説明する。また、逐次データ同化アルゴリズムであるカルマンフィルタとアンサンブルカルマンフィルタについて、Pythonプログラムを用いた基礎演習を行い、理解を深めることを目的とする。

  1. データ同化の適用事例紹介
  2. 逐次データ同化の理論
    • 2.1 ベイズ推論
    • 2.2 逐次データ同化と非逐次データ同化の特徴
    • 2.3 カルマンフィルタ
    • 2.4 アンサンブルカルマンフィルタ
  3. Pythonプログラムを用いた演習
  4. まとめ

なお、本講義においては、サンプルプログラムをJupyter Notebook形式で配布する。講義中は、Google Colaboratoryを用いるため、インターネットに接続可能なノートパソコンを持参されたい。もしくは、ノートパソコンにJupyter Notebookを使用できる環境を構築して頂きたい。

3-3 現実世界とバーチャル空間を融合するデータ同化技術の応用
〔菊地亮太(DoerResearch/名古屋大学)〕

現実世界の実験・観測・運用稼働条件と、バーチャル空間での数理モデル・シミュレーション・機械学習モデルの両輪をさらに活用する技術基盤が必要になってきています。そうした状況において、現実世界とバーチャル空間での情報の隔たりを低減できるデータ同化技術には大きな可能性があると考えています。本講演では、データ同化の基礎から工学分野における適用事例を紹介し、現実世界とバーチャル空間を繋ぐ研究開発・運用の実現に向けて、参加者の皆様とともに考えます。

  1. エンジニアリング分野でのデータ同化
    • 1.1 気象海洋分野のデータ同化と、エンジニアリング分野のデータ同化
    • 1.2 デジタルツインの要素分解
    • 1.3 デジタルツインの中でのデータ同化
  2. データ同化の応用事例紹介
    • 2.1 縮約モデルを用いたリアルタイムデータ同化
    • 2.2 フライトデータを用いた航空機運航向けリアルタイムデータ同化
    • 2.3 日本酒造りを手助けするデジタルツイン・システム
  3. まとめと展望・議論
3-4 勉強会43期を経て思うこと
〔京谷孝史(東北大学)〕