非線形CAE勉強会

第2期非線形CAE勉強会・シラバス・第4回

 

第4回:非線形CAEにおけるメッシュ・解法・ベンチマーク [ 10月13日(日) ]

イントロダクション 「非線形問題におけるメッシュ分割と要素特性」
担当:菊池(ミシガン大学)、西垣(豊田中研)、関口(東京大学大学院)

非線形CAEに限らずCAEでもっとも厭な部分であるメッシュと要素特性について概説します。メッシュ分割については、その理論を説明するのではなく、ソフトの動向について重要と思われるソフトとその結果について言及します。また非線形問題に生じる陰的な拘束条件を指摘し、要素にゆがみが生じたときどのような問題が観察されるかを説明します。

  1. メッシュ分割に関する情報の入手法
  2. メッシュ分割に関する最近の傾向と動向
  3. 要素特性とは
  4. 非圧縮性とメッシュのゆがみ
  5. せん断ロッキングを回避してしまうとき生じる要素のゆがみによる影響
  6. LS-DYNAを用いた例題
講義1 「非線形問題の解法」
担当:藤井文夫@数理デザイン工学科(岐阜大)

有限要素法により離散化された非線形支配方程式(固体・構造)の解法を念頭に置いて,非線形解法において注意すべき一般的事項を,問題の本質を失うことなく,簡単な平面曲線を用いて平易に,そして具体的に解説する.また数理的な非線形解法の手段として,CAE分野ではあまり知られていない大域的非線形解法を紹介する.さらに剛性行列の数理についても簡単に触れる.剛性行列から平衡解の安定情報を抽出する方法や剛性行列が特異行列となった場合の剛性方程式の解法は座屈安定解析において不可欠の数理知識である.

  1. 非線形解法において留意すべき一般的事項
  2. 見逃しやすい解(遊離経路・孤立解など)の存在
  3. 問題を複雑化する分岐点
  4. 局所的収束性を有する非線形解法(ニュートン・ラフソン法)
  5. 大域的収束性を有する非線形解法(ホモトピー法など)
  6. 剛性行列の数理
講義2 「陽・陰解法とCAEベンチマーク」
担当:小林卓哉・三原康子@Mech.Des.&Anal.

近年、陽・陰の両解法による非線形CAEプログラムが、いずれも十分な実用性を持って市販され、計算機の低価格化の追い風も得て、市場は開発期から既に普及期に移行したと言うことができる。しかしながら運用面では、技術者の教育だけでなく、材料定数の同定や荷重条件のモデル化などに関して、非線形特有の実務上の困難が立ち塞がり、適切でない用法による弊害も顕在化しつつある。ここでは、それらのプログラムを概説するとともに、問題点を整理し、その対策の幾つかを紹介する。

  1. 陽解法と 陰解法の基礎
  2. 汎用CAEソフトウエアの機能と使い分け
  3. 材料定数の取得とモデリング
  4. 荷重・境界条件のモデリング
  5. 解析上のトラブル・シューテイング
  6. ベンチマークによる解析品質の向上
  7. 現実の問題をCAEでいかに解決するか
ポスター形式講義 主に企業におけるCAE実務に関する話題を提供するため、実務者を招いて解析事例の紹介と討論を行う。講義はポスターの掲示と講演からなる。講演の前後に自由討論の場を設けるので、積極的な討議をお願いしたい。
    • A部屋: 「電機製品の落下解析、EPS材を含む梱包落下解析」〔井戸浩登@ソニー〕
    • B部屋: 「陰・陽解法による3次元鍛造解析」〔濱家信一@ニチダイ〕
    • C部屋: 「非線形CAE先端分野の解析」〔慶大野口研究室〕

    • A部屋: 「動的陽解法による真空成形加工の解析」〔垣野学@松下電器産業〕
    • B部屋: 「自動車部品の衝突変形解析」〔佐藤健太郎@NKK〕