非線形CAE勉強会
第22期非線形CAE勉強会・シラバス
第3日目(2012/12/1,10:00〜17:00)
3-1 | 個別要素法と粒子法の利点と欠点 〔森口周二(岐阜大学)〕 |
離散体モデルに基づく個別要素法と、連続体モデルに基づく粒子法の違いについて説明し、それらの適用事例を示しながら、それぞれの利点や欠点について説明する。適用事例については、特に、地盤工学分野のものを中心に紹介する。
- 現象や変形レベルに関する解析手法の分類
- 個別要素法
- 2.1 概略説明
- 2.2 適用事例
- 2.3 利点と欠点の整理
- 粒子法(特にSPH法)の概略説明と適用事例
- 3.1 概略説明
- 3.2 適用事例
- 3.3 利点と欠点の整理
3-2 | 固体FEM開発経験者による粒子法の可能性と今後 〔浅井光輝(九州大学)〕 |
固体非線形FEMでは,大変形時のメッシュの潰れてしまい計算が破綻する,あるいは亀裂などの不連続性の表現が困難など,メッシュに起因した難しさが残されています。 一方,メッシュを用いない粒子法は,物体が複数に分離する,または結合をするなどダイナミックな大変形解析の計算例を見せてくれます。 実際に,固体のFEMとラグランジュ記述をベースとした粒子法(MPS法,SPH法)はどんな計算をしているのか解説します。特に,固体FEMを勉強したことのある皆さんに慣れた記述により,固体解析と流体解析との違いを説明します。
- 固体力学と流体力学の考え方の違い
- 1.1 Euler記述とLagrange記述
- 1.2 応力の評価
- MPSとSPHの類似性と違い
- 2.1 近似の考え方
- 2.2 非圧縮性と微圧縮(擬似圧縮性)
- 2.3 SPHの解析手順
- 粒子法の課題と可能性
- 3.1 津波遡上解析例
- 3.2 地盤洗掘解析
- 3.3 固体解析
3-3 | 計算不連続性体力学の手法 〔竹内則雄(法政大学)〕 |
不連続を前提とする離散モデルを中心として直接的に不連続を導入する手法に的をしぼり,それぞれの手法の特徴や使用法を系統的に整理する.
- 不連続体解析と離散化
- 不連続要素の発展
- 2-1 リンク要素
- 2-2 ジョイント要素
- 2-3 拡張有限要素法(X-FEM)
- 離散(体)要素モデルの発展
- 3-1 個別要素法(DEM)
- 3-2 不連続変形法(DDA)
- 3-3 混合要素(combined element)
- 離散要素モデルの発展
- 4-1 不連続Galerkin法
- 4-2 剛体ばねモデル(RBSM)
- 4-3 ハイブリッド型ペナルティ法(HPM)
- DEM/DDA/RBSM/HPMの関係
3-4 | マルチボディダイナミクスの解析手法とその変遷 〔杉山博之(東京理科大学)〕 |
剛体および弾性体がジョイント拘束や力要素を介して複雑に結合されたマルチボディシステムの非線形動力学解析法について解説します.特に,マルチボディダイナミクスにおいて利用されている弾性体の定式化および微分代数方程式(DAEs)によって記述される多体系運動方程式の数値解法について,最近の研究動向を含めながら,それらの手法と特徴を説明します.
- マルチボディダイナミクスの概要
- 微分代数型運動方程式(DAEs)の数値解法
- ・Baumgarteの拘束安定化法
- ・幾何学的射影法 (Geometric projection method)
- ・一般化座標分割法 (Coordinate partitioning method)
- ・BDF法によるDAEの直接数値積分法
- ・GGL法(stabilized index-2 method)
- ・HHT法によるDAEの直接数値積分法
- ・ペナルティ法 (Penalty method)
- ・拡張ラグランジアン法(Augmented Lagrangian method)
- 柔軟マルチボディダイナミクス
- ・Floating frame of reference formulation
- ・Absolute nodal coordinate formulation(ANCF法)
- ・弾性体の非線形ジョイント拘束
- ・応用例
- まとめ